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必読図書

2023年9月1日 改訂

スピリチュアル関連の図書はそれこそ数えきれないほどあります。しかし、本当に有意義なものというのは非常に少ないのです。これは、地上の人間の中に、高級霊からのメッセージを受信できる者(その役割を天から与えられて誕生してきた者)が、ごく限られた人数しかいないためです。

霊的世界は、霊性(=霊的波動)の違いによって出来上がった純然たる階層社会であり、高級霊が波動を下げて下級の霊とコミュニケーションを取ることはまま可能ですが(しかし低級霊のほうは、そのアプローチがあってもなかなか気づけない)、低級霊が高級霊にアクセスすることは、基本的に、低級霊には波動を上げるということが出来ないために叶いません。

地球という惑星の上に降りた人間は、そもそもが波動を下げて物質である身体と結びついた存在ですので、上記の理由から、高級霊とつながることは普通は出来ないのです。そのため、霊能があるという人でも、低級霊とつながってしまい、低級霊はいろいろな悪さをしますので、それを錯覚して「神」の言葉のように語っている人というのがほとんどなのです。
 
ここで取り上げた書籍は、霊界に興味を持った方が、入門編としてふさわしく、かつ触れてほしいど真ん中の内容を持ったものを厳選して掲載しました。その基準としては、2023年時点で入手がしやすく、かつ読んで面白く、飽きさせないものを選びました。

先ずは、ここに挙げた必読図書をじっくり読んでみてください。これらには、あなたが「アセンション」を目指す際の基礎として、ぜひ理解していただきたい事柄が書かれてあります。
 
1.『人生はなんのためにあるのか』で「魂」の不滅を知り、
2.『神との対話』シリーズで現代に通じる「宇宙の真理」を知り、
3.『アセンション 宇宙からのメッセージ』で、「波動の法則」と、人類が今後どうあるべきかを知り、
4.そして仕上げとして、座右に霊界の法律書である『霊の書』を置いておけば、
それ以上、あちこち行脚を続ける必要はありません。
 
あなたはもう、時間を無駄にすべきではありません。あれやこれやに手を出すよりは、ここに挙げた基本の図書を納得がいくまで何度も何度も読み返した方がずっと有意義ですし、「魂」の成長もきっと早く進むことでしょう。 

魂の輪廻転生がどのようなプロセスで行われているかを詳らかにした書

死後の世界が教える 人生はなんのためにあるのか
死後の世界が教える

人生はなんのためにあるのか

著者:マイケル・ニュートン

この本は、2000年8月にVOICEから出版された同名書籍の改訂版です。著者のマイケル・ニュートン(Michael Newton)は、カルフォルニア在住のアメリカ人で、心理学博士号を持つ催眠療法士です。
 
近年、トラウマを解消する手法として「退行催眠」が注目を浴びています。それは、当初は潜在意識に植え込まれた幼少時代(インナーチャイルド)の抑圧体験に遡り、因果関係を明らかにすることによって解消を目指そうとするものでした。
 
しかし退行をさらに推し進めると、前世にまで遡行できることが確認され、東洋思想のカルマ論が西洋社会にもしだいに受け入れられるに及んで、トラウマだけではなく、病気や怪我と前世体験との因果関係も明らかにされるようになったのです。
 
マイケル・ニュートンはこれに飽き足らず、被験者と数多くのセッションを繰り返す中で、「死後の世界」の探求に乗り出し、驚くべき緻密さをもって「死後の世界」の構造をほぼ描き出すことに成功しました。
 
本書は、それらの「退行催眠」のケーススタディと著者による解説というスタイルを取り、死の瞬間から霊界への移行、霊界における学習、そして再誕生までを、段階を追って再構成しています。それだけに大変読みやすく、大部ではありますが興味をそそられる構成となっています。
 
霊界の情報を出来るだけ引き出すために、時に被験者を通じて被験者のガイド(指導霊)とコンタクトするなど、チャレンジングな試みも駆使しています。一方で、被験者やガイドになるべく負担をかけないような配慮も随所に見られ、研究者としての真摯な姿勢が伺われます。
 
文章も無駄がなく、翻訳もとても上手いです。A5版で416ページもありますので、読み切るのはちょっとシンドイですが、「魂」は不滅であるということを理解する上で、これ以上ないテキストとなっています。

人間存在の意味と生き方について説いた、これぞ21世紀の気づきの書

「神との対話」シリーズ 全10巻
「神との対話」シリーズ 全10巻

神との対話①②③
神との友情㊤㊦
神とひとつになること
新しき啓示
明日の神
神へ帰る
神との対話 完結編

著者:ニール・ドナルド・ウォルシュ

ニール・ドナルド・ウォルシュの手になるこのシリーズは全部で10巻あり、たっぷり読み応えがあります。この全巻を読めば、人間存在の意味や生き方と、霊的世界との関係性を、ほとんどすべて知ることが出来ると言っても過言ではありません。その意味で、このシリーズは、21世紀のニューバイブルに位置づけられると思います。
 
今のこの時期に、こうした書が著されたのは、まさに神のご計画に違いありません。
 
この書のユニークな点は、書名の通り、著者であるニールが神に質問をし、神から返って来た答えを自動書記の形で記述している点です。ふつう質問者とチャネラーは、別の人が役割を分担するものなのですが、それを一人でこなしているというところが先ず異色です。
 
それだけを聞きますと、眉唾っぽく感じられるかも知れませんが、読んでいただければ分かるように、質問者のニールと、神の答えには、インテリジェンスの点で明らかに差があるのです。しかもこの神は、ユーモアのセンスも抜群ときています。
 
ニールの質問の言葉は、我々の思考レベルとほぼ同等で、素朴な疑問を投げかけているのですが、返って来る答えは、正に次元が違うというシャープさです。こうして、対話形式で書かれているので、まるでボケとツッコミの漫才を聞くような面白さにグイグイ引き込まれてしまいます。
 
それと、このシリーズの大きな意義は、世界各国語に翻訳され、広く読まれている点です。著者のニールはアメリカ人ですが、キリスト教国の一つであるアメリカに浸透した宗教的刷り込みを、破壊するインパクトをこのシリーズの登場が持っているように思います。
 
人々の精神の奥深くにまで染み付いている宗教的価値観を、一挙に崩すことは現実的には難しいでしょうが、少なくとも「古いものこそ真実」という思い込みに疑念を生じさせる効果はあったでしょう。
 
それほど内容が素晴らしく、現代人にフィットする言葉と感覚で書かれたこの本は、「ああ、これでいいんだ」「ジョークで語ってもいいんだ」と、これまでになかった視点を投げかけた点でも画期的なものだと言えます。
 
2018年10月、この「神との対話」シリーズに、なんと10年ぶりとなる新作『神との対話・完結編』が登場し、日本語訳が出版されました。前作の『神へ帰る』には、「これがシリーズの最後の1冊となる」と書かれてあったので、続編が登場したというのは驚きです。
 
その理由について、本書のシリーズが編まれた目的には実は全部で3つあり、2つについてはすでに語って来たが、3つめを語る時期がようやく来たからだと説明しています。さて、時期が来たとはどういう意味でしょう。それは、地球が、また人類が、いよいよ危機的状況に差し掛かっているということです。
 
しかしそれを、本書は「目覚めのチャンスだ」と言うのです。なぜなら、その危機的状況に、多くの人々が強い関心を抱くようになっているからだと説明します。そして、人類の「目覚め」とは、〈すでに自分が目覚めているということ〉に気づくことに他ならない、という核心を述べるのです。
 
これは、まさにチルチルとミチルの青い鳥探しと同じことで、このシンプルな結論に気づける段階に、人類全体がようやく至ったということを、この啓示が示しているものと思われます。
 
このシリーズを座右の書として、折に触れて読めば、まさしく21世紀のニューバイブルとして機能することでしょう。出版順に読まれることをお勧めします。

地球が今おかれた状況と、今後なすべきことについて余すことなく解説

アセンション 宇宙からのメッセージ
アセンション 宇宙からのメッセージ

地球がアセンションするにあたって、人類へ送るメッセージ

著者:岡本せつ子

本書は、チャネラーである岡本せつ子氏が、2001年1月1日から2008年10月3日にかけて、自身のホームページ上で公開していたチャネリング・メッセージ『アセンション 宇宙からのメッセージ』を、「虹の学校」に集う有志たちの手によって再編集し、書籍化したものです。
現在、このサイトは削除されてしまって見ることができませんが、要約版が次のサイトで公開されています。 http://messages2012.web.fc2.com
 
さて、本メッセージには、世界的に見ても他に例を見ない、いくつかの特徴があります。先ず第一の特徴は、これが宇宙系の魂を持つ人々を対象にして書かれているという点です。宇宙系の魂を持つ人々とは、元々は宇宙の他の星の生まれでありながら、今回の地球のアセンションをサポートするために、1万年以上前に、自ら志願して地球に転生して来た存在のことを言います。『虹の学校』では「ユニバーサル・メンバー」と呼んでいます。
 
詳しくは本文に記載がありますが、これら宇宙系の魂を持つ人々は、あまりにも長きに渡って地球人としての転生を続けてきたために、今日では、志願して来た目的をすっかり忘れてしまった魂が少なくないのです。そこで、こうした魂に、自分の使命を思い出させ、奮起を促す目的で、このメッセージが岡本せつ子氏のもとに下ろされました。
 
第二の特徴は、当然のことですが、本メッセージが「地球のアセンション」というものの意味と、意義と、ステップについて、詳しく書かれたものだということです。しかしこれには重大な意味が含まれています。原文の中で、高次元の存在が、〈混乱を避けるために、アセンションに関する情報を、この岡本せつ子氏のチャンネルに限定した〉と、明確に述べていたのです。
 
つまりこのメッセージは、「地球のアセンション」に関する唯一の正しい情報だということです。ということは、2012年のピークに向けて、当時たくさんの情報が飛び交っていたのですが、それらはすべて偽物の情報だったということになります。
 
あえて当時を詳しく振り返ることはいたしませんが、その意味で、本メッセージの存在は、今後、本物と偽物を見分ける上での重要な示唆となることでしょう。偽物の情報が、どこからどういう意図でやってくるのか、そしてその特徴がどういうものであるかは、本文中に詳しく書かれてあります。
 
第三の特徴は、本メッセージが「波動の法則」についても、詳しく説明が為されているという点です。「波動」は、スピリチュアルな世界ではよく言われていることですが、ここまで突っ込んだ説明がされたものは他にありません。また、ネガティブな波動を受けた場合の対処法についての説明もあり、これは「光の道」を歩こうとする者にとっては、大いに役立つことでしょう。
 
また、第四の特徴として、自分自身がアセンションすることが、どのようにして社会の変革に繋がって行くのかが、「波動」との関係で明らかにされたというのは、これが初めてと言っていいでしょう。社会の変革ということを考えた時には、どうしても、革命とか新たな政治指導者の登場といったことを考えがちですが、そうしたものは第一義ではないのだということ。
 
それよりも、先ず人々の霊性が向上しなければどうにもならないのであって、その際に大切になるのが、先にアセンションした者が、普通の人間として生きることにより、高い波動を地球に固定していくことだと言うのです。あくまで普通の人間として生きることが大切であり、それが周辺の人々にも高い波動の影響を与えることになるというわけです。
 
これは、言われてみれば「なるほど」と納得がいくのですが、なかなか気づかないポイントではないでしょうか。けれどもこの言葉は、これから「光の道」を歩もうとする者にとっては、明確な目標が示されたという点で、大きな希望を与えるものとなることでしょう。
 
以上あげた特徴は、世界的にみても、チャネリング・メッセージとしては屈指のものであり、これが日本人に下ろされたという幸福と意義を、我々は噛み締めないわけにはいきません。そしてこのメッセージが、世界中の、まだ目覚めぬ「ユニバーサル・メンバー」に届けられることを願ってやみません。

本書は【製本直送 .com】のサイトからご購入いただけます。 こちら

「宇宙の法則」のほぼすべてが、1856年出版のこの書の中に説かれている。

「神との対話」シリーズ 全10巻

霊の書

編者:アラン・カルデック
翻訳:桑原啓善

『霊の書』は、いわば「霊界」に関する法律事典のようなものです。「霊界」に興味を抱く人がおよそ知りたいと思うこと、疑問に思っていることのほとんどが、一問一答の形式で項目別に整理されまとめられています。したがって、この書が座右にあれば、疑問が湧いたときや確認したい事柄があったときに直ちに適切な解答を見つけ出せることでしょう。その意味で、本書を「必読図書」の欄に置きました。

しかし、入門書としてはいささか難しいかも知れません。と言いますのは、「霊界」の全体構造に関する基礎知識がないと、個別の項目に書かれている意味がよく解らないだろうと思われるからです。「霊界」の全体を網羅して、ていねいに解説がなされているのに、全体が解らないと個々の解説も解らないという、ちょっと矛盾した関係になっています。

これを打ち破るには、今は解らないとしても将来の日のために座右に置いておくか、あるいは何度も何度も読み返して少しずつ理解を深めていくしかないかも知れません。
 
この書がフランスで初出版されたのは1856年。その頃の日本はと言えば、幕末の時代でした。アラン・カルデック著ではなく編とあるのは、本書の成立が、霊媒を仲立ちにした「霊界通信」の内容をもとに編集されたものだからです。

アラン・カルデックは、医学博士号を持つ実証科学者であり教育学者でもあったのですが、50歳になってから突如として命を受け、霊的世界の真の姿を伝える広報マンの役割を果たすようになりました。

カルデックが執った方法は、仲間うちで降霊会を開いて、そこに霊を呼び出し、霊媒役を通じて霊に語らせたり自動書記させるというものでした。カルデックは、こうして集まったたくさんの霊界通信の内容を、項目別に整理し直して『霊の書』としてまとめ、後人の理解の助けとなるようにしたのです。

ここで先ず、二つの点から1856年という時代について考慮をしておかなければなりません。一つは、本書が「霊界通信」によって書かれたものであるということから、内容そのものについては、今日においてもいささかも古くはない完全な普遍性を持っているという点です。なぜならば、霊界には時というものが存在しないからです。

しかし、表現レベルにおいては、その時代の社会背景の影響を少なからず受けてしまいます。例えば、科学技術の発達度合い、民衆の生活状況、宗教的な背景、土地柄、人々の理解度、言葉、などです。したがって、本書を読む際には字義どおりに捉えるのではなく、両者を勘案して読み進むことが大切です。ということで、以下に幾つかの考慮点を挙げておきます。

先ずは、本書の基盤となっている大前提の考え方を「心霊主義」と呼んでいる点です。これは、カルデックが提唱した「Spiritisme(英語ではSpiritism)」に対して、桑原啓善さんがその訳語を充てているのですが、今日ではいささか古く感じますし、「Occultism」のニュアンスを与えてしまうように思います。

カルデックがこの言葉に込めた意味は、「霊界通信」によって〈霊的世界の存在が実証される得る〉といったものです。言い換えると〈実証される得る霊的世界〉といった感じです。ですから、敢えて訳語を当てるとすれば「実霊思想」といったところでしょうか。「ism」を「主義」とはあまり言いたくないので。

カルデックがそこにこだわりを見せたのは、当時の社会の「洗脳」状況を打ち破りたいとの思いがあったためです。当時のヨーロッパは、キリスト教と教会の権威がまだ非常に強い時代で、「霊界通信」などは神を冒涜するもの、悪魔の仕業などと非難されたり嘲笑されたために、カルデックとしてはこれに対抗意識を持たざるを得なかかったのです。

それより古い時代にも、同じことが「秘教、あるいは密教(Esoteric Religion)」とか「神秘学(Mysticism)」と言われて存在していたのですが、それらはごく限られたグループの中だけで伝承され、世間に公開されることはありませんでした。しかしカルデックは、それを初めて一般向けに公開しようとしたのです。

そのようなことで、本書の後書き(結語)を見ても、激しい対抗意識と当時の苦労とが見て取れるのです。が、今日的視点に立ったとき、霊的世界が存在することをあっさり認めてしまえば(もちろん今日でも、否定する人は大勢いるのですが)、もうそこに特別の思い入れを込める必要はありません。

ということで、「秘教」でもなく「心霊主義」でもなく、もうこれからは普通に「宇宙の法則」とか「真理」とか「新しい神学」と言うのが、私はよいと思うのです。カルデックの「Spiritism」については、そのまま「スピリティズム」としておけばよいのではないでしょうか。
 
次に、本書には「罪と罰」という言葉が繰り返し出てくるのですが、これは今日で言うところの「カルマの法則」の意味で使っているのであって、注意が必要です。

『虹の学校』では「宇宙には罪も罰もない」と言って来ましたので、それを覚えておられる方の中には「矛盾しているではないか」と思われる人がいるかも知れません。しかし、1856年当時は、「カルマ」の思想がまだヨーロッパに入って来ていなかったために、便法として「罪と罰」という言葉を使ったのだと思われます。

確かに、「因果応報」の仕組みは、その表れ方だけを見れば「罪と罰」と言ってよいもののように映ります。ですが、「罪と罰」と言ってしまいますと、いったい誰がそれをジャッジするのかという話になり、自分の外側に、裁判官としての「神」をイメージすることになってしまうのではないでしょうか。また同様の理由で、頻繁に顔を出す「正義」という言葉も、「法則(あるいは法)」という言葉に置き換えて解釈されるのがよいように思います。
 
『霊の書』では、「神」はまだ自分の外側にある存在であり、「Oneness」という考え方がありません。これはおそらく、それまでのキリスト教世界の伝統的思考法が残っているためでしょう。しかし、「罪と罰」という考え方は、「Oneness」の観点からすると、「神」が自分で自分に「罪」を着せたり「罰」を与える、というおかしな話になってしまいます。
 
このことは、ニール・ドナルド・ウォルシュさんの『神との対話』の中でも、「神が右手で左手を叩くというのか」という比喩を使って語られていますし、また「正義」の語も否定がされています。というのは、人間社会では「正義」の名のもとに行われる「悪」が多過ぎるからです。ですから、いくら「神の正義」と断ったとしても、ここは誤解を避けるためにも「法則」と言い換えたほうがよいでしょう。
 
しかし、「カルマの法則」は〈自業自得〉ですから、自分がしでかした自由意志の行使の結果を、自分が「報い」を受けることで「学習をする」ということになります。ここで、放蕩息子の帰還のたとえが生きてくるのです。つまり「神」は、包容力を持って我が子の放蕩を許してくださるということです。
 
この他、次の言葉は、今日的ではないように感じますので、右のように置き換えて解釈されるとよいでしょう。

思想 → 思考
磁力 → 波動
夢遊病 → 体外離脱体験(体脱、OBE)
液状体 → アストラル体

*なお、「液状体」という名称は、「アストラル体」が持つ可塑性の性質に鑑みてつけられたものです。「アストラル体」は、死んで間もないころは、生前の自分が若返った姿をとることが多いのですが、本人の意思によってその姿を変えることが出来ます。

 
最後に、カルデックが「敵」という言葉で語ったものに関して、考察を加えておきたいと思います。

カルデックは、スピリティズムに敵対する人々を三種類に分類しました。第一の人々は、ともかく「認めないものは認めない」という狭量な人たち。第二は、スピリティズムが本ものであるということには気づいているものの、それを認めたら自分の立場が危うくなるというのを恐れ逆に攻撃してくるという人々。そして第三は、そんな異論がもしも台頭して来たら、自分たちの行為やあり方を痛烈に批判されることになる、というのを恐れる人々。ということで、これは主に当時のキリスト教教会関係者のことを指しています。
 
この三分類の、第一と第二については、今も事情はさして変わらないように思います。しかし第三は、宗教的権威がどんどん失われていくなかで、新たな集合にスイッチしているように私は感じるのです。それは「スピリチュアリズム(Spiritualism)」です。

「Spiritualism」という言葉そのものは神聖なものではあるのですが、今の世に蔓延しているのは、これとは真反対の風潮です。「スピリチュアル」という言葉をダシに使って、お金儲けや功名心に走る人があまりにも多過ぎるのです。それはちょうど、テレビが Youtube に移っただけのように、宗教が吸引していたものが、バラバラになってスピリチュアル業界に移行しただけなのです。

「スピリチュアル」な世界については、一般の人々がほとんど何も知識がないのをよいことにして、不思議な世界に見え隠れする特別な価値を提示したり、あるいは身の安全を脅した上で救いの道を示したりして、人々を吸引しようとする徒があとを絶ちません。

人々が、こうしたものに惹かれるのにはちゃんと理由があって、人間というものが、そもそも霊的存在だからです。その意味では、一端には気づいているのです。がしかし、思慮が浅い。仕方がないと言えば仕方がないのですが、物性が残っている者同士の間では、同じレベルのところで吸引や同調が起こってしまうのですね。そのことに、早く気づいてほしいのですが。

もっとも宗教も、霊的世界を語りながら現世利益をエサに使って来たわけで、そう考えますと、時代が変わっても、利己主義の根絶というものは、非常に難しいと言わざるを得ないのかも知れません。
 

「神との対話」シリーズ 全10巻
本書は、「霊界」に関する法則を事典化したものですが、同じカルデックによる『天国と地獄』の日本語訳も出ていますので、合わせて読まれるとよいでしょう。こちらは、生前どんな生き方をした人間が、死後、霊となってどのような世界に生きているかについての証言事例集です。これを読むと、「カルマの法則」の「善因善果」「悪因悪果」の関係がより鮮明に理解できます。また事例の中に、身近な人の死や、自分の境涯に近いものを発見して、長年の疑問に合点がいったり、慰めが得られるかも知れません。