霊的世界は霊性の高さによって分けられた純然たる界層世界
このようにして、「霊的世界」の「界層」が、単に宇宙エネルギーの振動数の変化 ── これを一般的に「波動(Vibration)」と言っていますが ── より成り立っているということを明らかにしました。これまでは、「界層」に関する理論と「波動」に関する理論が別々に語られていたのですが、そこに「科学」の視点を持ち込んだことで、これらを一つのものとして説明できるようになったのです。言うなれば、別の観点からの「大統一理論」です。
これによって、どの分類説が正しいのかという議論に終止符を打つことが出来ました。結局、どの分類説もみな正しかったのです。それは単に、視点をどう持って、どこで決め打ちをするかという見解の違いに過ぎなかったわけです *。そしてさらに踏み込んで、この「界層」構造が、具体的にどのような振動数の範囲として特定できるかという仮説を提示しました。これについては『 霊性密度と振動数』のページをご覧ください。
*ちなみに『ベールの彼方の生活』(G・V・オーエン著)では15界層に分類しているのですが、霊界通信によってメッセージを伝えてきた高位の存在が、これは「あくまで便宜上の分類である」ということを幾度にも渡ってことわっています。それに、たとえ霊界にいる存在といえども、宇宙の構造の全部を把握することはそもそも不可能なのです。なぜなら、自分がいま所属する「波動」レベルより上層については、実感できないわけですから。
そして熟慮の末、『虹の学校』としては「7界層説(オクターブを含めれば8界層説)」を採用することにしました。これは、「チャクラ・システム」との整合性が取れるという利点に加えて、7という数が、複雑過ぎることと単純過ぎることの弊害を避けるちょうどよい中間にあること。またドレミファソラシドの音階に喩えて説明できるので理解がしやすいこと。それに、かねてより言われて来た、アセンション(三次元から五次元への上昇*)の意味が「7界層説」によってきれに説明できること、などの理由によります。
*従来から言われてきた「次元」という言葉が、長年に渡って数学で言うところの空間座標軸の概念と混同されてきたために、多くの人に意味不明の誤解を与えてきました。それを「7界層説」に整理したことによって、これが「第3霊性密度」から「第5霊性密度」への「波動」のジャンプを意味することを明らかにしました。
こうしたことを経て、先ず「7界層説」を『 霊性密度図』に整理しました。その上で、従来の分類法で言うところの名称が「7界層説」で言えば大体どのような対応になるかをさらに探っていきました。こうして出来上がったのが、次の『霊界の界層構造図』です。
この図では、ベースにモンロー研究所の「Focus」 *と名づけられた49分類(左端)を配置しています。49分類は、7界層の各層をさらに7分類して7×7の49界層としたものです。これは、宇宙の「べき乗」の構造をうまく説明しているだけでなく、「第4霊性密度」の内側をさらに細かく界層分けした点で出色のものと言えるでしょう。なお、この図中の「SD」とは「Spiritual Density」の略です。また、モンロー研究所以外の界層分類に関しては、あくまで〈こんなところ〉という目安として捉えてください。どれも厳密な線引きは出来ません。
*モンロー研究所の「Focus」概念については、『瞑想入門』の本の中に説明がしてありますので、そちらをご参照ください。
ところで、最近ではあまり聞かなくなったのですが、1980年代くらいまでは、テレビを中心にしてたびたび「心霊ブーム」というものが盛り上がりを見せていました。その時代までの標準的な「界層」分類法は、もっぱら、現界、幽界、霊界、神界という「4界層説」が主流でした。(場合によっては、現界と幽界との間にサブ的に幽現界を設けることもあります)この「4界層説」をこれまでにお聞きになった方はたくさんおられると思います。これは「霊的世界」の構造を大まかに掴むという意味では、非常に解りやすい分類法です。
ちなみに、「4界層説」と「霊性密度」との対応を見ますと次のようになります。
神界 ▶︎ 第6、第7霊性密度
霊界 ▶︎ 第5霊性密度
幽界 ▶︎ 第4霊性密度
現界 ▶︎ 第1〜第3霊性密度
なお、この分類で言う「霊界」は、ある領域に限定された狭義の世界の意味で使っており、「霊的世界」全体を言っているのではない点に注意してください。
浅野和三郎(1874 - 1937年)
また、次に掲げる『第4霊性密度の界層構造図』は、1917年に発刊された J.S.M. Ward 氏の『Gone West:Three Narratives of After-Death Experiences』 *の中にある手描きの図を日本語に翻訳の上、描き起したものです。当初、これは「霊的世界」全体の界層についてを示しているのかと思ったのですが、検討の結果、「第4霊性密度」内についてのみを説明しているものと判明しました。
*この書籍は、浅野和三郎によって第一部と第二部のみが翻訳され、大正14年12月に『死後の世界』のタイトルで出版されました。また、その抄訳が桑原敬善編ということで「でくのぼう出版」より出ています。なお、この文中には下記の図は含まれていません。
さて、この図で注目していただきたいのは、「第4霊性密度」の上部には、さまざまな宗教組織が細かくリストアップされているという点です。ロバート・モンロー博士はこの「第4霊性密度」の上部を「信念体系領域」または「とらわれ領域」と呼びました。これは「第4霊性密度」全体がまだ本当の意味では「霊界」に至ったわけではなく ── それゆえ「幽界」と言う ── 物質的身体を持たなくなった「魂」が「意識」だけの存在となった際には、自分の周囲に、自分が信じる世界をあたかも現実を見るようにして創造し、その世界の中に収まるためです。
そのとき、低い「波動」を持つ「魂」はいわゆる「地獄」的な空間を創造するのに対して、それよりも高い「波動」を持つ「魂」は「信仰」的な空間を創造するのです。さて、J.S.M. Ward 氏が生きていた時代には、「信仰」は即、宗教宗派の考え方の問題でした。そこで、Ward 氏が示した図の上部には宗教宗派の名前が並んでいるのです。しかしモンロー博士は、これを整理して、「信仰」上の「とらわれ」の程度によって界層を分けたのです。
では、現在はどうでしょうか? 今日では伝統宗教の多くが形骸化し(世界的に見れば、イスラム教や正教会は命脈をまだ保っているようですが)かつての勢いはすっかりなくなくなっています。また新興宗教も時代の変化に対応できずに、信者の高齢化とともに衰退しているところがほとんどです。ですから、この部分は新たな尺度に置き換えられる必要があるだろうということで作ったのが、次の『第4霊性密度における魂の学習段階』というチャートです。結局、この「第4霊性密度」という領域は、唯物論的思考にいかに引っ張られるかという「暗黒界」と、真理にいかに目覚めていくかという「光明界」との綱引きによって界層が決まると言ってよいように思うのです。
霊界の界層構造.jpg
第4霊性密度の界層構造.jpg