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フィジカル・トレーニング

「アセンション」に至る上での要諦は、なんといっても「瞑想」にあります。しかし、瞑想ばかりを熱心にやっておりますと、気が頭部に偏り過ぎて、身体全体のバランスを壊してしまいます。その結果、身体上に、様々な不調が表れてきます。また、瞑想行の途中で体験するサイキックな出来事にうまく対処することができず、いわゆる「禅病」に陥る危険性があります。これを避けるためには、瞑想と並行して、適切なフィジカル・トレーニングを行っていくことが欠かせません。この両者は、エクササイズにおける、いわばクルマの両輪なのです。

 

フィジカル・トレーニングをする目的

フィジカル・トレーニングをする目的は大きく二つあります。一つは、基礎体力をつけて日々の修行(エクササイズ)が継続できるような状態に自分を持っていくことです。基礎体力がなければ、「よし、やろう」という気が先ず起きません。また、やったとしても三日坊主で終わってしまい、エクササイズを継続していくことができません。
 
霊性の向上というものは、短期間で一挙に達成されるといったものではなく、段階的なステップを踏みながら少しずつ上がっていくものです。その間は、評価してくれる者もおらず、達成感があるというものでもなく、いわば孤独な一人旅です。これを乗り越えて行くためには、根気強い、毎日の地道な取り組みというものが不可欠なのです。
 
もう一つは、背骨の歪みを無くし体幹を整えて、チャクラの覚醒とクンダリニーの上昇に備えるということです。これは、一つめの基礎体力をつけるといったこととは、次元の違う取り組みとなります。しかし、家を建てるのと同じで、先ず基礎部分がしっかりしていなければ、次の次元には進めません。いきなりこちらに取り組んでも、グラグラして、場合によっては倒れてしまうということになりますので注意が必要です。
 
 

心の問題を抱えた人は、先ずはフィジカル面を整えるとよい

「心を治める」の項に書きましたが、心の安定を図ることはエクササイズの最初の一歩です。けれども、病的な状態にある方は、無理にこれを治そうとして焦ってはいけません。瞑想も行わないでください。心の不調は、「不調だ」と思い込む意識への、過度の集中にあります。ですから、治そうとして焦りますと、この集中を逆に強化してしまうのです。このような方は、むしろ「心」から離れることが必要なのです。
 
そのためには、身体を動かすことにただ集中し、考え込むクセを断ち切ってしまうのが早道です。鬱だから体が重くて動かせなくなるのではなく、動かないから鬱になるのです。人間は、人間である以前に、先ず動物であることを思い起こしてください。動物なのですから、動くことが自然であり、動かなくなるとそれがストレスとなって心身に悪影響を及ぼすのです。
 
心の問題の妙薬は、なんと言っても運動と自然です。先ずは公園や遊歩道など、身近な自然環境が保たれてる場所に出かけて散歩から始めてください。自然の息吹を感じながら深い呼吸をし、身体を充分に疲れさせるまで動かせば、夜もグッスリ眠れるようになり、これを習慣づければ、いつの間にか鬱から脱している自分に気がつきます。半年でその効果を実感できるでしょう。
 
そうして正常に戻った暁には、フィジカル・トレーニングと瞑想に進んでください。
 

『虹の学校』流トレーニング方法

『虹の学校』では、「自彊術(じきょうじゅつ)」体操を基本に据えて、これにハタヨーガと呼吸法をプラスした独自のトレーニング方法を指導しています。
 
「自彊術」は、大正時代に、療法家であった中井房五郎氏によって創案された健康体操で、これが後にラジオ体操の基礎になったと言われています。しかし、「自彊術」がラジオ体操をはじめとする他の健康体操と大きく異なるのは、元々が治療を目的に創案されたという点です。名前の「自彊」とは、「自ら彊(たがや)す」の意味で、〈自分で、自分の病気の根本原因を治していく〉という意味合いが込められています。
 
「自彊術」をなぜ柱に据えたかといいますと、体力の向上、柔軟さと姿勢の矯正、体調不良の改善に、やってみて実際に顕著な効果があることが実証できたという点が一つ。それと、全31動の流れが非常によく考えられていて、一つの動作が次の動作の準備運動となって、無理なく全身の関節がほぐされ、筋肉も鍛えられていくのです。これがハタヨーガだけですと、アクロバティックなポーズを無理に行って体を壊すという人が意外に多いのです。
 
そこで『虹の学校』では、先ず「自彊術」で体を充分にほぐして体幹を整えてから、これにハタヨーガのポーズ(アーサナ)を徐々に入れ込んで行くという方法をとっています。ハタヨーガを組み込んだフルバージョンを行った場合には、だいたい40分~60分くらいのエクササイズとなります。「自彊術」だけですと、およそ20分で完結します。この、20分で全身運動が完結するという点が、毎日続けていくうえで大いに役立つのです。
 
よく、「たったこれだけの動作で」とか、「一日わずか3分で」などという謳い文句を見かけますが、こういうものは却って長続きしません。体の運動機能というのは、そういうものではないからです。日常生活での動作は、何をするにしても全身の骨格や筋肉が連続的に動いていくのですから、それをよく観察して、模倣する動きを多く取り入れた運動がよいことは明白です。この点でも「自彊術」は非常に優れたエクササイズとなっています。
 

呼吸法を身につけることの重要性

人間は息をしなければ生きていけません。ですから呼吸は、生体活動を維持するための最も重要な要素です。ところが、これほど重要な呼吸を、普段意識することはまずありません。重要だからこそ、意識せずとも呼吸が行われるようになっているためです。しかし一方で、それは呼吸の真の目的を知らないということにも繋がっているのです。
 
現代の一般的な認識では、人が生命活動を維持するために必要なエネルギーは、もっぱら食物から得ていると考えられています。しかしこれは正しくはありません。その証拠に、食をまったく取らなくても、水さえ飲んでいれば、人間は3週間から1ヵ月くらいは生き続けられます。
 
けれども息を止められたとしたら、人間はわずか5、6分で生命活動を停止してしまいます。そこで、呼吸のことを息(=生き)と言い、いわゆる死亡した状態を「息(生き)の根を止める」と言っているのです。つまり、生命活動を停止した際には、ガスの元栓が閉まった時のように、「息の根」からのエネルギー供給が止まるということです。
 
このエネルギーは、一つにはもちろん酸素ということになるのですが、それ以外にも、現代の測定機器には検出できない微細なエネルギーがあるのです。これは宇宙エネルギーとか、プラーナとか、エーテルと呼ばれています。実に、人間だけに留まらず、全宇宙の生命活動がこの宇宙エネルギーに依存しているのです。
 
呼吸法は、この根本原理を知った上で、上手にエネルギーを取り込み、魂および身体に行き渡らせる各種の方法をトレーニングしていきます。